離婚事件の流れ

離婚手続について

 現在の日本では、以下の離婚手続きがあります。

 

  •  協議離婚 夫婦で協議で離婚するもので、離婚届けを提出することで、離婚となります。

 

  •  調停離婚 家庭裁判所で、調停員関与のもと、話し合いで、離婚・離婚条件を決めます。

 

  •  審判離婚 調停不成立時に、家庭裁判所が、職権で離婚を命じる審判をします。

 

  •  裁判離婚 家庭裁判所の裁判で、離婚・財産分与等について、判断されます。

 

 以下では、ほとんど利用されていない「審判離婚」を除いて、簡単に説明していきます。

協議離婚について

 協議離婚では、夫婦間の協議だけで離婚をすることが可能です。簡単かつ早くできます。

 

 しかし、協議が不十分な場合や誤解をしている場合、後日のトラブルの原因になります。

 

 また、養育費の支払いなど金銭給付についての合意については、公正証書にしておかなければ、相手方が養育費等を支払わない場合に、相手方の財産を差し押さえるなど強制執行することができません。

調停離婚について

 離婚調停は、家庭裁判所の調停委員会の関与のもと、当事者の話し合いによって、離婚条件を調整して、離婚・離婚条件の合意を目指すものです。

 

 調停期日は、月1回のペースで、1回の調停期日あたり2時間程度の時間がかかることが想定されます。

 なお、弁護士を代理人にしている場合は、弁護士も本人に同行し、調停室内でも対応することになります。

 

 離婚調停で合意が成立すると、調停離婚が成立し、その際に作成される調停調書は、確定判決と同一の効力が認められます。

 調停条項で養育費の支払いをすることになっており、仮に、相手方が養育費を支払わない場合、この調停調書の条項を根拠に、相手方の財産を差し押さえてするなど強制執行の申立てを行うことが可能となります。

 

 離婚調停は、話し合いにより、調停合意を目指しますので、当事者の合意ができない場合には、調停不成立となり、離婚調停の手続きは終了します。

 離婚を求める場合は、裁判離婚として、離婚訴訟を提起することになります。

 

 なお、事案によっては、弁護士を代理人にしていれば、しなくともよい不利な内容で調停合意をしているものもときに拝見されます。

 

 また、離婚調停から離婚訴訟に移行することが予想される事件については、調停段階から、弁護士を代理人にしておいた方が、良いと思われます。

裁判訴訟について

 離婚調停で、離婚が出来ない場合には、裁判・訴訟で、離婚を求めていくことになります。いわゆる、離婚訴訟になります。

 離婚訴訟については、調停前置主義が採られています(家事事件手続法257条1項)。

 もっとも、調停前置は、訴訟要件とされていないので、調停前置せずに、離婚訴訟を提訴しても不適法として却下されず、当該事件を調停に付されることになります。

 

 ちなみに、弁護士でもこのことを正確に理解していないため、間違って調停前置を欠く離婚訴訟につき訴えの却下を求める人もいるようです。 

 

 離婚訴訟では、離婚を求めるほかに、子の親権、慰謝料、財産分与、養育費、年金分割なども離婚請求に関連するものについても、一緒に裁判を行うことができます。

 

 離婚訴訟では、離婚を裁判所に認めてもらえる場合が、下記の離婚原因の場合に限定されています。

 また、離婚原因については、離婚を求める当事者が、言い分を主張し、裏付け資料として証拠を提出して立証する必要があります。

 

 離婚訴訟で、離婚原因があることを、家庭裁判所が認めれば、一方当事者が離婚を拒否していても、家庭裁判所が判決をもって、当事者を離婚させます。

 当事者が争う場合は、1年以上、判決まで時間がかかることもあります。

 

 なお、離婚訴訟の場合、判決によって離婚させられる前に、早期に和解として、離婚が成立することも多くあります。